ALL ABOUT TABLE MANNERS


2015/02/02 00:24

長いので 時間を作って読んで頂けると :)

 

僕が2013年にリリースした二枚目のアルバム”TABLE MANNERS”について

先日 データの配信が開始となりました

販売と言えど 今流行りのストリーミングで全曲フルレングスで聴けます

単純にもっと多くの人に 垣根無く(ここ大事)聴いてほしい

それと今月のEUツアーに向け 現地のオーディエンスに僕の音を知ってもらう必要があると思いました

CDは海外流通をしていないので 海外在住の人にとっては実質ニューリリースか

 

こちらです

https://tomywealth.bandcamp.com/

 

TABLE MANNERSだけでなく 細かい仕事やリミックスなどを抜けば

過去曲もほぼ上がってます 気に入ったらディグってみて

 

___________

 

TABLE MANNERSについての曲解説

この機会にしてみたい

インストにとってこういうのは野暮だけど もうリリースから時間経ってるから

「あーそうだったんだ」みたいな感じで見てもらえたら

上記のURL再生しながらでも読んでみて

 

一曲目から順に

 

1. TACT

これは”気配り”って意味 まずナレーションの和訳書いておきます

 

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まず 耳を傾けて下さい

そう ありがとう 助かるわ

あなたの事が気掛かりです

私なりの気配り(Tact)なので あまり気にしないで貰えると嬉しいです

貴方の姿が見えます 活動写真の様に

たまにそれを止めて 問いかけるの

暑くない? 寒くない? お腹空いた? 喉が渇いた?

こっちへおいで

恥ずかしい? 不快? それとも 気持ち良い? くすぐったい?

ねぇ 何が見える? 何が聴こえる?

…ねぇ

あなた誰?

__________

 

少しホラー

二重人格が混在している感じを表現したく こういう表現になりました

このアルバム全体のテーマが ”人 対 人”

“TABLE” には 普段使っている家具のテーブル以外に ”面” “表” という意味があります

音楽ライターの松浦 達さんにアルバムレビューを書いて頂いた時に

そのタイトルが『表層の儀式を越えて』でした とても的を射ている表現でした

そのレビューがこちら 前のブログから

http://tomywealth.blogspot.jp/2013/07/one-more-week_17.html

 

人と人の間にある色んなもの そこを越えてお互いが感じるもの そんなニュアンスです

文字にすると陳腐ですが

 

1stの頃からナレーションの録音をお願いしている西山E-MIさんに改めて感謝

彼女の役者魂が光っています

彼女はBONNIE PINKのバックコーラスなんかもやっていた事がある実力派シンガー

今聴いても最高のイントロだと思っています ライブでもこのイントロで始める事が多いですね

 

2. AUTOMATISM feat. TATSURO MUKAI

ご存知 KAMOMEKAMOMEの向さんに客演して頂いた最高傑作

初の対バンから意気投合し こういう風にカタチとして残ると非常に嬉しいです

一緒に飲んでいて楽しい仲間 そういう関係は多々ありますが

こういう風に一つでも何かが残る関係性というのは 色んな事が上手く行かないと実現しません

この曲のMVでクリエイター集団maxillaとも会えた 今や一緒に仕事する仲間です

色んな奇跡が詰まった曲 この経験があまりに色濃く残ったので

イントロ明けの一曲目にしました

リリックの内容については 僕からは何も書かない事にします :)

AUTOMATISM 無意識 自動性 って意味です

機械的という意味もあるんだけど

人間が 無意識 機械的 になってしまう程の… という意味ね

つまり無機質とは真逆の思いっきり有機的な意味合いで付けました

これの7inchはmaxillaがジャケット担当してくれていて

彼等には『有機質でいて 機械的 そして抽象画』と 難しい依頼をしました 笑

流石その通りになったね

そんな想いが乗っている曲なので アルバム持ってる方にもこの7inchは手にして欲しいんだ

 

3. DRUMS OF DEATH

HIPHOPの話になるんだけど K-SOLOというニューヨークのラッパーがいて

彼の曲 “DRUMS OF DEATH” のタイトルをオマージュ

オマージュと言っても 曲は全然違うんだけど

HIPHOPトラックの心臓は絶対的にドラムだと思っていて

自分がHIPHOPトラックを作り始めた(楽しく感じた)のも

自らドラムを叩ける いい感じのドラムが組める というのがやはり動機として大きい

ライブではドラムを叩いているし

始まりも 終わりも きっとドラムなんだろうな

という中学時代から続くドラムとの腐れ縁を表した曲です

 

4. SABRINA / SILENT CLIENT

SABRINAは 猫が人間の女性に化ける曲

オードリーヘプバーンの麗しのサブリナ(洋題:SABRINA)って映画がありまして

主人公サブリナが物陰から憧れの男性を覗くシーンがあるんだけど

そこからインスピレーションを得て オリジナルのストーリーに

SABRINAのオードリーは 猫っぽいんだよね

まさにオードリーの様に オリエンタルな雰囲気が出せて良かった

1stアルバムでは WAIT UNTIL DARK(暗くなるまで待って)という曲があります

ご存知 これもオードリーの映画 そういう流れがなんとなくありますね

 

SILENT CLIENTはSABRINAの真逆

今度は男性目線 物思いに耽る男性(依頼人)珍しくアンニュイなコンセプトです

SABRINAとエディットを似せてた為 表裏一体を感じでもらえたら最高です

 

5. BLOOD PRICE

こちらはライブでお馴染みの曲ですね

作曲当時この曲がライブでここまで化けるとは思っていませんでした

人間の価格 人間の価値 不平等性を込めて作った曲です

人間の構造は皆同じなのに 生まれた土地 環境で 人の見る価値が変わってしまう

そんな現状が世界にあると思います

日本人の僕等は実感しづらい だからこその着目です

この曲はライブでつい力入ります BLOODだけにいつも出血します、、

 

6. MR CHRYSLER

この曲はBLOODの対極(むしろこのアルバム全体にあるテーマが”対極”です)

贅沢な人の曲 その良し悪しは置いておいて

1928年に建てられたNYのCHRYSLERビル

街の象徴 皆の注目の的

彼の名は MR CHRYSLER

ブランデーでも傾けながら 優雅に聴いてほしい曲です

 

7. RAFAGA feat. LORD KIMO

こちらはあのASIAN DUB FOUNDATIONの元MC LORD KIMOにラップしてもらった曲

彼が参加した時期はADFのアルバムTANK辺り 自分もよく聴いてたアルバムなので本当にこの客演は嬉しい

ロンドンからラップテイクを送ってもらいました 便利な時代ですね

実はまだ彼には会っていないんですが コンセプトをよく理解してくれて

この曲の実現に至りました

RAFAGAというのは スペイン語で”突風”を意味します

砂埃の立ち上る荒野なんかを想像してもらえると

ラップの内容はアジアの誇り 僕とKIMOの共通点である東洋を強く意識してもらいました

彼は今現地で EMPIRE DUST というバンドをやっています

興味のある方は是非 http://www.empiredust.com/

 

8. GARDENS

Sを付けたのは 各々のというニュアンスを含みたかったからです

CDを持っている方はご存知かもしれませんが

この曲は元々 音楽好きの知り合いから

「お世話になった人の余命があと数日しかない、最後に特別なプレゼントがしたい」

という事で 完成した曲

彼には僕の他に何人かの曲を収録したCDを送ったそうで とても喜んでくれたとの事です

それぞれの良き思い出を それぞれの庭(パーソナルな空間)に例え

このタイトルを付けました

光を強く意識した曲で あえてシリアスにしたくはなかったのです

楽しかった思い出だけを頭に入れてもらえたら

この曲は正直 ライブでやりながら少し涙が出る事があります

 

9. NIGHTCAP

タイトル通り 晩酌の曲です

とはいえ僕は自宅では基本飲まないんですが 笑

お酒の気持ちよい酩酊状態 そのまま眠りに落ちる

本当にこれ以上のテーマが無い曲です

OLD CLASSICのサンプルや メロトロンで 好きな雰囲気になりました

友人には幽霊屋敷のテーマって言われましたけど 笑

 

10. TACTILE

意味は 触覚 触れる

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが イントロのTACTの続きです

“TACT” 気遣い これに

〜に関係する という接続詞の “ILE” を足して

“TACTILE” 触れる

人と人が接近した様子を表しました

このアルバム全体のテーマである人と人です イントロとも対極です

この曲は大サビまで長いですが 大好きなサビなので聴いてほしいです

もっと長くする事も出来たのですが この曲には儚さを込めたかったので

スッキリと終わっています

 

切ない エモーショナル こういうのは大好物で自分の作曲の根底にありますが

くどいのは嫌いなんです

自分にとってこのアルバムは凄く良い長さになっています

 

簡単でしたが 以上がTABLE MANNERSの筋書きです

こうは書きましたが 基本的にはやはりそれぞれの解釈に委ねるものだと思っています

音楽って。